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2015.03.18更新

自筆証書遺言をお勧めできない理由を列挙するという唐突なこの企画、2回目です。

 

今回は、「訂正」の方法です。

 

前回は、パソコンを使わず全文を自分の手で書く必要があるといいました。

「そんなこと言われても、絶対間違えるよ!」とお思いの方、当然です。私も1行目から間違えます。

では、間違えてしまった場合、どう訂正すればよいのでしょうか。

 

民法では、以下の方法のみを規定しています。

 

968条2項

・・・変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければその効力を生じない。

 

何やらいっぱい条件が書かれています。

 

訂正が認められるための条件その1・その2:変更箇所の指示、変更した旨を付記

 

  「○行目○文字削除」などと、末尾や欄外に記載することが多いです。

  なお、実際の訂正方法は、二重線で削除する、吹き出しをつけて加筆するなどの方法をとります。

 

訂正が認められるための条件その3:署名

 

  「○行目○文字削除」などの近くに、署名をする必要があります。

 

訂正が認められるための条件その4:変更の場所に押印

 

  訂正印を押すイメージですが、遺言書で使ったハンコをなるべく用います。

 

面倒くさい!

無理!

やってられない!

 

という声が聞こえてきそうです。少なくとも私は1つ目の条件すらクリアできず断念です。

そんな方には、身も蓋もないアドバイスをすることになります。そう、「訂正など夢のまた夢、書き直しなさい」です。

 

なお、所定の方式を守れなかった訂正はどうなってしまうのかというと、訂正のみ無効(訂正がなかったことになる)と判断されたり、もとの文言を含めて無効(遺言しなかったことになる)と判断されたり、訂正のレベルに応じて様々です。

逆に言えば、「これは訂正のみ無効だ!」「いや全体が無効だ!」というような、新たな争いの火種になるということになります。

 

このように、訂正は、その方法が面倒なだけでなく、ミスがあった場合の争いも深くなるという点で、「書き直しさない」ということになります。

そして、さらに一歩踏み込むと、そもそも自分で書くからだよ、ということになるのです。

 

 

まだまだある自筆証書遺言のワナ。このシリーズ、もう少し引っ張ります。

投稿者: 彩の街法律事務所

2015.03.11更新

弁護士の神尾です。

 

遺言書は、大きく分けて自分で書くもの(自筆証書遺言)と公証人と協力して作っていくもの(公正証書遺言)の2種類があります。

遺言書の作成を依頼されることもありますが、私は今まで1件も自筆証書遺言を勧めたことはありません。

 

これから何回かに分けて、どうして自筆で遺言書を書いてはいけないのかを述べていきます。

 

第1回目は、「自筆」をする範囲についてです。

 

民法は、「自筆」について、以下のように定めています。

 

968条1項

・・・遺言者が、その全文、日付および氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

 

この条文から明らかなように、遺言書の「全文」を自分で書かなければなりません。

例えばパソコンで本文を作ってプリントアウトして名前を書いたものは、無効です。

 

訂正の仕方は後日に回を改めて説明するつもりですが、「全文」を手書きすると考えただけでも、気持ちが萎えます。

遺族に宛てた手紙ぐらいならまだやる気も起きますが、

不動産や預貯金をきちんと特定して(地番や口座番号等も通常記載します)、誤記もないようにして・・・

などと考えていくと、かなり「全文の自筆」というのはハードルが高いことが分かります。

 

このように、書く手間や誤記のリスク等を考えたとき、自筆証書遺言は止めた方がよいということができます。

 

次回以降もさらに、自筆証書遺言の面倒さを述べていきます。

これらの面倒さを耐えてがんばって作成してもなお、無効と主張されるリスクもあるというのが、最終的な結論になります。

 

では、もう何回かお付き合いください。

投稿者: 彩の街法律事務所

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