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2016.02.17更新

遺言執行者という制度があります。
遺言書の内容を実現する役目を持った人のことで、遺言書で指定されていることが多いです。
「親の遺言を読んでみたら、遺言執行者というのになっていた。何をすればいいの?」という相談があるので、今日は遺言執行者の義務の1つである「相続財産目録調整義務」について、解説したいと思います。

 

遺言執行者は、遺言をした人が亡くなって自分が執行者になったら、すぐに相続財産の目録を作り、相続人に渡す義務があります。
不動産や預貯金など、調査して目録化する必要があるのです。
これはなかなか厄介です。

 

ただ、「遺言書の内容によっては、遺言執行者といえども目録を作成して渡す義務はない!」ということがあります。
それは、遺言書が「相続させる」という文言になっている場合です。実は、かなり多くの遺言書がこのような文言になっているので、実は目録作成・交付義務がないことも多いといえるのです。

 

例えば、「全財産を息子に相続させる」と書かれているとしましょう。
最高裁は、このような遺言書の場合、お亡くなりになったと同時に、当然に全財産が息子さんに移ると考えています。
そうすると、遺言執行者が遺産を移す手続を取る必要がなくなります。
イメージ的には、本来は「被相続人→遺言執行者→相続人」と遺産が移っていくから、どんなものを渡す必要があるかについて相続人に知らせるために財産目録が必要なのです。
ところが、「相続させる」遺言の場合、「被相続人→相続人」と移っていくので、遺言執行者を経由しません。したがって、相続人にどんな財産があるか知らせる必要はない(むしろもう遺産は移っているので執行者の出る幕がない)といえます。

 

以上を踏まえると、「目録を渡すのは大変だ」と思ったとしても、実はそもそも渡す義務がない場合が多いということです。
遺言書をみたら自分が遺言執行者になっていた、さあ大変だと思ったら、まずは当事務所にご一報ください。内容をよく拝見させていただいて、何をすべきか(何をしなくてよいか)をご説明いたします。

投稿者: 彩の街法律事務所

2015.09.07更新

弁護士の神尾です。

 

今まで述べてきた自筆証書遺言に関する記事を、Yahoo知恵ノートにまとめました。

遺言書を書く際の一助になれば幸いです。

 

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n352807

 

投稿者: 彩の街法律事務所

2015.07.15更新

今日で自筆証書の悪口は終わりです。

 

最終回は、「とにかく争いが起こるのは自筆のとき」ということ。

 

公正証書は、公証人の前で作っているので、問題になることは少ないです。

少なくとも、有効無効の問題にはなりにくい(中身で「あの人が多すぎる!」ということはしばしばですけど)。

 

自筆証書だと、「そもそも認知症で書けなかったでしょ」「別人が書いたのでは」などの疑心暗鬼が渦巻きます。

紛争が倍になるぐらいのイメージです。

少しでも争いを減らしたいなら、自筆証書は避けるべきです。

 

以上4回にわたって弱点をあげつらう記事を書いてきて、ちょっと疲れました。

それほど、争いの種になってしまう制度なのです。

それでもあなたは、自分で遺言書を書いてみますか?

投稿者: 彩の街法律事務所

2015.07.13更新

本体のブログにいろいろ書いていたら、こちらを更新するのをすっかり忘れていました。

 

自筆証書の話をずっとしていましたね。

 

自筆証書遺言に限らない問題ではありますが、「共同遺言」は禁止されています。

 

「共同遺言」?はて?

 

これは、1つの遺言書に複数の人が遺言をしてはいけないという決まりです。

例えば、夫婦連名で遺言書を書いたら、この遺言書は無効になってしまいます(民法975条)。

 

この決まりは、自筆証書に限らず公正証書等遺言一般での禁止事項なのですが、公証人の前で作る公正証書遺言で共同遺言にしてしまうというミスは通常起こりえません。

したがって、共同遺言が問題になるもののほとんどは自筆証書の場合ということになります。

 

投稿者: 彩の街法律事務所

2015.03.18更新

自筆証書遺言をお勧めできない理由を列挙するという唐突なこの企画、2回目です。

 

今回は、「訂正」の方法です。

 

前回は、パソコンを使わず全文を自分の手で書く必要があるといいました。

「そんなこと言われても、絶対間違えるよ!」とお思いの方、当然です。私も1行目から間違えます。

では、間違えてしまった場合、どう訂正すればよいのでしょうか。

 

民法では、以下の方法のみを規定しています。

 

968条2項

・・・変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければその効力を生じない。

 

何やらいっぱい条件が書かれています。

 

訂正が認められるための条件その1・その2:変更箇所の指示、変更した旨を付記

 

  「○行目○文字削除」などと、末尾や欄外に記載することが多いです。

  なお、実際の訂正方法は、二重線で削除する、吹き出しをつけて加筆するなどの方法をとります。

 

訂正が認められるための条件その3:署名

 

  「○行目○文字削除」などの近くに、署名をする必要があります。

 

訂正が認められるための条件その4:変更の場所に押印

 

  訂正印を押すイメージですが、遺言書で使ったハンコをなるべく用います。

 

面倒くさい!

無理!

やってられない!

 

という声が聞こえてきそうです。少なくとも私は1つ目の条件すらクリアできず断念です。

そんな方には、身も蓋もないアドバイスをすることになります。そう、「訂正など夢のまた夢、書き直しなさい」です。

 

なお、所定の方式を守れなかった訂正はどうなってしまうのかというと、訂正のみ無効(訂正がなかったことになる)と判断されたり、もとの文言を含めて無効(遺言しなかったことになる)と判断されたり、訂正のレベルに応じて様々です。

逆に言えば、「これは訂正のみ無効だ!」「いや全体が無効だ!」というような、新たな争いの火種になるということになります。

 

このように、訂正は、その方法が面倒なだけでなく、ミスがあった場合の争いも深くなるという点で、「書き直しさない」ということになります。

そして、さらに一歩踏み込むと、そもそも自分で書くからだよ、ということになるのです。

 

 

まだまだある自筆証書遺言のワナ。このシリーズ、もう少し引っ張ります。

投稿者: 彩の街法律事務所

2015.03.11更新

弁護士の神尾です。

 

遺言書は、大きく分けて自分で書くもの(自筆証書遺言)と公証人と協力して作っていくもの(公正証書遺言)の2種類があります。

遺言書の作成を依頼されることもありますが、私は今まで1件も自筆証書遺言を勧めたことはありません。

 

これから何回かに分けて、どうして自筆で遺言書を書いてはいけないのかを述べていきます。

 

第1回目は、「自筆」をする範囲についてです。

 

民法は、「自筆」について、以下のように定めています。

 

968条1項

・・・遺言者が、その全文、日付および氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

 

この条文から明らかなように、遺言書の「全文」を自分で書かなければなりません。

例えばパソコンで本文を作ってプリントアウトして名前を書いたものは、無効です。

 

訂正の仕方は後日に回を改めて説明するつもりですが、「全文」を手書きすると考えただけでも、気持ちが萎えます。

遺族に宛てた手紙ぐらいならまだやる気も起きますが、

不動産や預貯金をきちんと特定して(地番や口座番号等も通常記載します)、誤記もないようにして・・・

などと考えていくと、かなり「全文の自筆」というのはハードルが高いことが分かります。

 

このように、書く手間や誤記のリスク等を考えたとき、自筆証書遺言は止めた方がよいということができます。

 

次回以降もさらに、自筆証書遺言の面倒さを述べていきます。

これらの面倒さを耐えてがんばって作成してもなお、無効と主張されるリスクもあるというのが、最終的な結論になります。

 

では、もう何回かお付き合いください。

投稿者: 彩の街法律事務所

2014.10.28更新

弁護士の神尾です。


ご高齢の方の事件を担当していると、多くの場合「お母さんはちょっと前までしっかりしていたのに」という話を聞きます。
自分の判断能力がいつ衰えるかは、誰にも分からないことです。
例えば脳卒中で倒れてしまうこともあり得ます。

 

判断能力が不十分になった場合、法律では「後見」という制度があります。
これは、いうなればボケが進行した「後」の話です。私も裁判所から依頼があって成年後見人を担当していますが、選任された段階ですでにお話も満足にできない状態であることの方が多いです。

 

この場合、自分の後見人が誰になるのかなど、そのときにならないと分からないといえます。

 

でも、明日倒れたらどうしよう。誰に面倒をみてもらおう。

 

そんな悩みを解消するのが、「任意後見」という制度です。

 

これは、お身体がしっかりしているときに、将来後見人となっていただける方とあらかじめ契約を結んでおきます(任意後見契約)。
そして、いざ倒れてしまったときに、後見人に財産管理等を行ってもらえるようになります。

 

この任意後見契約は、公正証書での作成が必要であるなど、やや手間を要します。

 

当事務所では、任意後見契約の作成のサポートをいたします。また、後見人候補者として財産管理等を行うこともできます。
お気軽にご相談ください。

投稿者: 彩の街法律事務所

2014.07.24更新

弁護士の神尾です。

 

急にご親族が亡くなると、心の準備をしていても慌てるものです。他のご親族への連絡、お葬式の手配、役所への届出・・・

落ち着いたころにふと思います。「おじいちゃんは、遺言書いていたかしら?」

 

「相続が揉めないように遺言を作っておきましょう」とは、よく言われることです。もっとも、実際に遺言を作ったとしても、親族に伝える必要はありません。ですから、お亡くなりになった方が遺言を残されていたのか、実務上よく問題になります。

では、どうやって遺言があるか調べるのでしょうか。

 

自筆でお書きになっていた場合

自筆でお書きになっていた場合には、残念ながら何とか探すしかありません。経験上、家の仏壇の中、貸し金庫の中など、いくつか可能性が高そうなところはあります。こういったところを探していただくことになります。

 

なお、金田一耕助の世界みたいに、「弁護士に預けて相続人の前で開封」なんてことは、現代ではほとんど聞いたことがありません(検認手続等については、別の機会に)。

 

公証役場でお作りになった場合

公証役場でお作りになった場合には、一定の条件が揃えば、お近くの公証役場で検索することができます。これを遺言検索システムなんて呼ぶこともあります。

そして、最終的に遺言の中身を見るには、原則として作られた公証役場まで出向く必要があります。

 

「おじいちゃんは遠方にいたから、きっと公証役場も遠いよ・・・」「検索してみたらとんでもなく遠方だった・・・」という場合、ご安心ください。

検索から遺言の中身の調査(閲覧謄写といいます)まで、弁護士に委任することができます。そして、遠方まで行かなくて良い裏技もあったりして・・・。裏技については別の機会にしますが、まずはお気軽にご相談いただけると助かります。

 

お亡くなりになると、本当に多くの手続をこなす必要が出てきます。ただ、お亡くなりになって1年間が、一つのリミットです。この理由についてはまたもや別の機会としますが、「落ち着いたらお早めにご相談」というのが、相続で損をしない鉄則です。

投稿者: 彩の街法律事務所

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